パソコンの構成

ここでは、パソコンを中心として計算機の構造や仕組について簡単に説明します。

  1. 基本構成図

    計算機は、少なくとも、本体以外に、ディスプレイと、鍵盤(キーボード)、マウスが必要です。

  2. 本体(筐体)

    本体の箱には、マザーボードと呼ばれる大きな電子基板があり、これに主要な電子回路が接続されます。

    1. 電子基板(マザーボード)

      電子基板には処理装置(プロセッサ:CPU)、メモリ、入出力装置の制御回路等が組み込まれています。プロセッサはメモリに記憶された機械語命令を高速に(一秒間に数百万命令程度)実行します。
       メモリには(電源を切っても記憶を失いませんが)書き込みはできないメモリ(ROM)と、電源を切ると記憶は失われますが、随時書き込みができるメモリ(RAM)の二種類があります。ROMは電源投入後、OS(MSウインドウ、unix)を読み出し、起動するまでのプログラムや、基本の的なハードウエアの設定処理をします。

  3. ディスク

    ディスクは記憶媒体が交換可能なフロッピーディスクと、交換できませんが高速大容量のハードディスク、および、大容量の記録媒体であるCDを読み取る装置があります。これらは、マザーボードとケーブルで接続されます。

    1. FDD

      3.5インチのフロッピーディスクで、1枚あたり1.4Mバイトの記録ができます。安価な装置ですが、容量が小さいため利用頻度は少なくなっています。ただし、標準的な装置であるため、ハードディスクやCDROMが利用できない場合の起動用や、小容量のデータ交換には利用されています。

    2. CD-ROM

      CDは比較的大容量(600ー700MB)のデータを記録できるメディアで、レーザ光を用いて読み出します。音楽用CDと同一の機構を利用しており、データの読み出しだけでなく、音楽CDの再生も可能です。読みとり速度も高速になり、音楽用CDの読みとり速度の倍数で速度を比較します。

    3. CD-R、CD-RW

      書き込みを可能としたCDメディアで、大容量の記録として標準的な装置となっています。1回のみ書き込み可能なメディア以外に、追加書き込み可能なタイプ、書き換えも可能なタイプもあり、標準化されていません。

    4. DVD

      CDをさらに大容量化し、映画の記録も可能としたメディアがDVDです。圧縮された画像や音声情報を解凍しながら読み出すため、ハードウエアまたは高速なプロセッサが必要です。音声も5+1チャンネルが可能で、左右だけでなく前後の音も再現可能です。

    5. 増設、更新

      デスクトップ型の場合、ハードディスクと合計して4台まで内部接続可能です。内部接続はATAPI接続と呼ばれます。マザーボードからのケーブルは2本で、一方をマスタ、他をスレーブ接続します。スレーブ接続の場合、ショートピンの設定を変更する必要があります。

  4. キーボード、マウス

    キーボードは主に文字入力に利用され、マウスは画面上での位置を指定し、マウスのボタンで、「画面上のボタンを押す」などの擬似的な操作を実現します。キーボード、マウス、なマザーボード上のコネクタに直結されます。

    1. USB

      最近キーボード、マウスをUSBで接続できるようになりましたが、システムが異常になり緊急処理をする場合、USB接続ではうまくいかない場合があります。キーボードはUSBでないほうが安全です。

    2. ワイヤレス

      ワイヤレスのキーボードやマウスを利用できますが、オプチカルマウス(光学式で裏面が光っている)は、かなり電力を消費します。

  5. ディスプレイ

    計算機は多くの情報をディスプレイ画面に表示します。ディスプレイは1200*1000程度の画素(光る点)の集合で、各画素の色の変化で、文字や図形を表示します。ディスプレイの制御回路はマザーボードに組み込まれる場合もありますが、多くはAGPと呼ばれるマザーボード上の専用のコネクタで、ディスプレイコントローラ基盤を挿入し、その基盤のコネクタとディスプレイを接続します。

    1. ディスプレイコントローラ

      3Dや変化の激しいゲームに利用するのでなければ、マザーボードに組み込まれたディスプレイコントローラで純分です。

    2. プロジェクタ

      外部のプロジェクタを利用する場合、解像度に注意して下さい。多くの場合、プロジェクタはSVGA(1000*800)程度しか対応しません。デスクトップを右クリックし、プロパティで、画面の設定ができます。ここで、解像度を指定します。
      ノート型の場合、切り替えキーがありますから、調べておいて下さい。

  6. 通信

    1. イーサLAN

      イーサLANを利用して、他のパソコンのファイルやプリンタを共有できます。
      また、外部の計算機や装置との接続にもイーサLANがよく利用されます。これは、数十m以内を高速に接続します。CATVやADSLなどの高速なインターネット接続にもイーサLANが利用されます。イーサカードはマザーボードに標準装備されることが多くなりました。

    2. シリアル

       シリアルコネクタにモデムを接続すれば、電話回線をインターネットに接続するにはモデムと呼ばれる装置を接続します。モデムは、多くの場合、マザーボード上のシリアル端子に接続します。IDSNの場合、モデムの替わりにTAを利用します。

  7. 音源

    音源も標準でマザーボードに組み込まれています。マザーボードの専用コネクタから、ミニジャックで外部スピーカと接続します。また、ディジタル録音するためのミニジャックもあります

    1. 外部スピーカ

       数千円で外部スピーカを接続すると音が良くなります。

    2. 5.1チャンネル

      DVDの場合、5.1チャンネルの信号(AC-3)が出力されます。これをAC-3デコーダ機能のついたアンプに接続し、6個のスピーカを駆動します。前に3個、後ろに2個、それに低音用の計6個のスピーカを利用します。

    3. 録音

      CDの音はファイル変換で直接取り込めます。マイク端子やライン入力から録音するには、録音用ソフトが必要です。ディジタル信号をそのままコピーする場合、著作権の音は、合計4回以内のみコピーが許されます。

    4. MIDI

      パソコンからの音符情報で演奏する装置の標準インタフェースです。多くの音源カードはMIDI演奏機能を持っていますが、かなり貧弱な音です。

  8. プリンタ

    プリンタはUSBまたは、セントロニクスと呼ばれるコネクタで接続されます。プリンタには、レーザ型、インクジェット型があります。カラーレーザ型はまだ高価です。

    1. 印字速度

      カラーの場合、色だけでなく印字速度や騒音にも注意して選択して下さい

    2. ネットワークプリンタ

      LANで接続できるPCに接続したプリンタは他のPCから共有できます。また、イーサLANに直接プリンタを接続する機種やアダプタがあります。

    3. 多機能プリンタ

      スキャナを備え、カラーコピーやFax機能を備えた多機能プリンタもあります。結構便利です。

  9. USB

    最近ではUSBと呼ばれる高速なシリアル接続方式が採用され、多くの装置を接続できるようになりました。USBはLANと類似した接続方式ですが、本体で集中制御され他種類の装置を接続可能です。USBにより、従来のシリアルやプリンタ接続コネクタは不要になってきました。

    1. 利用可能機種

      ウインドウ2000以後で、標準になっています。NTでは利用できません。98では利用できない機種があります。

    2. ハブと電源

      USBのハブを接続すると、4本までUSBケーブルが接続可能で、手元で抜き差しできます。USBから電源の供給を受ける装置があります。この場合、ACアダプタ付きのハブを利用する必要があります。

    3. 活線

      USBは電源を入れたまま、抜き差しできるよう設計されています。ただし、メモリやファイル機能を伴う装置へコピーする場合、終了処置をしないで抜き取ると、ファイルの転送が完了していない場合があります。

    4. USB2.0

      USB2.0は転送速度を500Mbpsまで高速化されています。ただし、USBの転送はプロセッサのサービスを必要とするため、実際の速度はかなり低下します。

    5. メモリドライブ

      USBの16MBから256MBのメモリを組み込んだ小さな装置があります。USB利用できるパソコン間でのデータ転送に便利です。

    6. SCSI

       USBが一般化する前は、SCSIと呼ばれるインターフェスがよく利用されていました。これは、プリンタケーブルと類似したパラレル(多線)ケーブルで、装置間を直列に接続する方式です。

  10. PCIカード

    マザーボードで提供されない機能を追加する場合、デスクトップ機ではPCIと呼ばれる基盤にをマザーボードのスロットに挿入します。イーサLAN、音声、(TV)画像、などの機能がPCIカードで提供されます。

    1. 利用度

      多くの付加機能はUSBで接続できるため、必要性は低くなっています。ビデオや高機能の音声カードはPCIカードで提供されます。

    2. ロープロフィル型

      幅の狭いPCIカードで小型のデスクトップで利用します。通常のPCIとしても利用可能です。


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