PDF

  1. PDFファイル

     
    1. PDFファイルとは

       PDFとは Portable Document Format の略でAdobe社が提唱する、文書の共通フォーマットです。Adobe社はこのフォーマットを見たり印刷するためのツールをネットワークや付録のCDを通して無償配布しています。
       購入しないと見ることもできない他の文書作成ツールとは異なり、世界的な汎用文書フォーマットになっています。

    2. AdobeReaderとAcrobat

       AdobeReader(以後Readerとします)は無償で配布されているPDFを読むツールです。webのブラウザ(IEなどのホームページ閲覧ソフト)と連携し、web 上のPDFファイルをよむことができます。現在、バージョン7になっています。
       Acrobat はPDFを作成する有償ソフトです。多くの文書作成ツールの文書をPDFに変換できます。Acrobatを組み込むと、AdobePDF がプリンタとして組み込まれます。文書ツールを印刷するとき、プリンタとして AdobePDF を選択すれば、印刷イメージのPDFファイルを作成できます。
       したがって、印刷機能があれば、PDFファイルが作成可能になります。

    3. PDFの特徴

       PDFは以下のような特徴があります。

      PDFを読むツール:Adobereader は無償で入手できる
      Windows以外のOS(MAC,Linux)でも読むことができる
      印刷機能があれば、PDFファイルを作成できる
      画像などは圧縮しているため、ファイルが小さい
      スキャナで読み取った文書をそのままPDFにできる
      任意のサイズに拡大・縮小して読むことができる
      最近開発された3D機能は、3次元モデルを好きな角度から見ることができる

  2. AdobeReader

    1. Readerで読む

       コンピュータ関連の多くのマニュアルはPDF形式になっています。ReaderがあればPDFファイルをダブルクリックして読むことができます。ここでは、v7(バージョン7)の画面で説明します。古いバージョンでは機能がなかったり、アイコンや位置が異なります。特に、version5は起動が遅いのでバージョン7へ交換すると良いでしょう。



       読むときの文字の大きさは細かく調整できます。+、- で拡大率を指定できます。 をクリックすると、マウスがになります。クリックすると、クリックした位置を中心に拡大します。横の、三角をクリックすると、縮小とダイナミックが選択できます。ダイナミックめがねでは、上で拡大、下で縮小ができます。
       は全体をウインドウに、は幅をウインドウサイズに合わせてくれます。を選択し、ウインドウの幅を変えると、横幅がウインドウサイズになるよう、拡大、縮小してくれます。
      大きな書類の場合、 をクリックします。これで、マウスの移動と共にページが移動します。

    2. ページ設定

       ウインドウの右下に があります。一番左は、1ページをウインドウに合わせます。縦書きの場合は便利です。2番目は、ページを気にしないモードで、ページ境界を画面の中央に出すこともできます。横書きの場合便利です。右の二つは、4または2ページを同時に表示するモードで、左右にまたがったページや複数ページを見るのに便利です。

    3. Webから見るばあい

       標準では、IE などのブラウザの内部に PDFが表示されます。これでは、webのメニューとReaderのメニューが重なり、窮屈です。別のウインドウに表示するよう設定できます。
      設定は以下のようです。

       「編集メニュー」>「環境設定」>インターネット>「PDFをブラウザに表示」のチェックをはずす

    4. ページの縮小版、しおり

      画面左の をクリックします。画面左にページの縮小画像が表示され、クリックするとそのページを表示します。「しおり」がある場合、クリックすると目次が表示され、クリックするとそのページを表示します。

    5. 検索

       編集メニューの検索(簡易検索)から実行します。指定した単語を含む行が表示され、クリックするとその行を含むページが表示されます。
       検索は現在のページだけでなく、指定したドライブやフォルダの内部にあるPDFを検索対象にできます。ファイル数が多いと時間がかかります。以下のように「参照」をクリックすると、検索対象を選択したフォルダに限定できます。



    6. 画像キャプチャ

        ボタンをクリックすると、マウスが + に変わります。ドラッグして範囲を定めると、その範囲を画像としてコピーします。適当なアプリに画像を貼り込むことが可能です。

  3. Acrobat

    1. Acrobat

       Acrobatは PDF を作成する 有償ソフトです。elements(簡易版)は4千円、標準版は5万円です。

    2. 作成

       Acrobat 以外のソフトで作成した文書を、印刷時に 「AdobePDF」を選択するとPDFファイルが選択できます。マイクロソフトのオフィスやブラウザでは、直接PDF 形式で保存することもできます。  また、セキュリティ関連の設定、しおりの作成、スキャンした文書の文字認識、複数のPDFファイル間の処理、などができます。

    3. ファイルから作成

      「ファイル」メニューの「PDF作成」を用いて、1つまたは複数の画像やオフィスのファイルからPDFファイルを作成できます。

    4. 大量文書のスキャン

       複数のページをスキャナで両面読みし、それをpdfファイルに変換することができます。Fujituの ScanSnap(A4版まで) がよく話題になります。価格は4.5万ですが、Acrobat が付属するため ソフトの購入より割安です。

    5. 作成したPDFファイルの編集

       文書メニューからページの回転、削除、追加、抽出、ができます。また、「文書メニュー」の「OCR認識」でスキャン文書(これは画像になっています)を文字認識できます。これを行うと、検索や選択した文字のコピーが可能になります。
       認識は時間がかかります。ページの指定ができますから、目次や索引の部分だけでも認識すると、ファイルの検索をかけることができます。

    6. しおりの作成

       左端の「しおり」タブをクリックします。「しおり」のコラムが表示されます。「しおり」を作成したいページを表示します。左上のをクリックして「新規しおり」を作成します。「無題」が表示されますから、名前を変更します。作成したしおりの位置はドラッグ操作で変更できます。下図のように、階層的なしおりの作成も可能です。
       しおりに対応するページはしおりを右クリックして現れるメニューから変更できます。



       しおりをクリックすると対応するページが表示されます。

    7. メモ

      注釈>注釈ツール>メモ で次のような付箋を張り込むことができます。テキスト以外に、図形を追加することもできます。



    8. キャビネット

       ファイルメニューに「PDFキャビネット」の項目があり、これを開くと、PDFファイルの一覧を、読んだ日、ドライブ&フォルダの順、「お気に入り」、「コレクション」 などで、ファイルを一覧し、サムネイル表示してくれます。
       「お気に入り」はよく利用するPDFのフォルダを選択しておきます。「コレクション」 は名前を適当に変更できます。このフォルダにファイルをドロップすると、ドロップしたファイルのショートカットを登録できます。
       特定のファイルを、複数のコレクションに登録できます(このとき、実際のファイルは変化しません。)

    9. セキュリティ

       パスワードを設定することで、文書の暗号化や文書の編集などを禁止することができます。これは、ファイルメニューの「文書のプロパティ」、または、「文書」メニューのセキュリティから設定することができます。