データ検索と入力規制

 ここではエクセルの「データ」タブの機能を紹介します。データの検索や並べ替え、入力をガイドする「入力規制」などについて紹介します。

  1. 小型データベース

    1. データベース

       多くのデータを蓄積し、求めに応じて要求されたデータを探し出すシステムをデータベースといいます。データは直接ディスク上に記録されます。

    2. データベースの構成

      エクセルの1行はデータベースのレコード(記録)に相当します。多くのレコードから条件を満たすレコードを探し出すことを検索と呼びます。
       レコードが数学と理科の成績を記録しているとき、「数学が80点以上かつ理科が90以上」などが検索する条件です。レコードの先頭には、列データに対応する名前を付けておきます。

  2. 検索する(フィルタ)

    1. 条件設定とデータ抽出

       条件を満たすデータを抽出するには、「フィルタ」機能を用います。「フィルタ」機能を利用するには、各列には同じ種類のデータが記録競れていること、先頭の行にはデータの内容を意味する「項目名」が記入されていることが条件です。
       データ内部の任意の項目をクリックし、「データ」タグの「フィルタ」を選択します。すると、各列の名前(番号、理科、数学)にフィルターの条件を設定する ▼ マークがつきます。
       

       理科のマーククリックすると、メニューが現れます。「数値フィルター」を選択し、さらに、「指定の値より大きい」を選択します。図のように、理科の列に、値 「80」、その右に「以上」の条件を指定し、「OK」ボタンを押します。
       

       すると、理科の値が80より大きな行のみが表示されます。それ以外のデータは非表示となります(もちろんデータは残っています)。さらに、「数学」のメニューを選択し、「90」 「以上」 の条件を設定すると、この条件も満たす項目のみが残ります。
       各条件には 複数の条件が設定可能で、「AND」と「OR」の条件が設定できます。「AND」は共に満たした場合、「OR」はいずれかの条件が満たされた場合、が条件になります。したがって、60点以上、80点未満、などの複合条件が指定できます。
       また、「降順」、「昇順」で大きさの順に「並べ替える」こともできます。「並べ替え」は元に戻せませんから、元の順に戻すためには、データの順につけた「番号」が必要です。

    2. ワイルドカード

       フィルタの条件を文字列に適用することもできます。条件の文字列に * を指定すると、これは、任意の文字列を表します。したがって、H*2 は H で始まり 2 で終わる文字列の指定となります。これで、番号を検索したのが以下の例です。* のように、任意の文字列を表現するモノをワイルドカードといいます。これはトランプのババ抜きゲームの「ジョーカー」に相当します。
       

    3. フィルタの解除

       抽出後、すべてのデータ表示に戻したい場合、各条件の「オプション」を「すべて」に戻します。また、列の名前のマークをはずすには、データメニューの「フィルタ」を再度指定します。

  3. 並べ替え

     
    1. 並べ替え

       表の各行を特定の列の大きさの順に並べ替える機能です。まず、並べ替えたい範囲をドラッグして選択します。次に、データタブから「並べ替え」を指定します。図にような「並べ替え」画面が出ます。並べ替えたい列(この場合理科)を選択し、「昇順、降順」を選択します。昇順は小さなデータが先になります。
       並べ替える場合、元に戻せることが必要です。この例では、A列で並べ替えれば、元に戻すことができます。



    2. 複数列での並べ替え

       並べ替えるデータに同じ値がある場合、他の列の大小関係で順序を決めることができます。「レベルの追加」を利用します。