スイッチ回路の実験


  1. 目的

    ここでは、スイッチを用いたディジタル回路を制作し、論理代数の理解を深めます。

  2. 使用器具・部品


    1. 部品


      1. スイッチ、
        スイッチのレバーを上下に動かして、スイッチの端子間をオン、オフします。レバーを下にすると中央の端子と上の端子がオン、レバーを上にすると中央の端子と下の端子がオンします。
        (実際に使用するスイッチは写真と異なる場合があります)
         

      2. 発光ダイオード(LED)、
        10mA(ミリアンペア)程度の電流を流すと発光します。発光ダイオードには極性があり、電圧をかける方向を間違えると発光しません。長い方の線にプラス側を接続します。LEDの色は好きなものを選んでください。

        LEDに流れる電流はごく僅か(10mA)ですが、室内では十分明るく発光し、寿命は半永久的です。電球の場合、実験用の小さな電球でも数百Aの電流が流れ大きな電力を消費します。また、高温になるため寿命が短くなります。

      3. 抵抗
        電源と発光ダイオードを直結すると、電流が流れすぎます。発光ダイオードに流れる電流を調整するために抵抗を利用します。抵抗の値は表面のカラーバンドの色で表示されています。ここでは330オームを利用します。


    2. 電源と配線用試作ボード


      1. 電源
        電源には乾電池を使用します。発光ダイオードは1.5Vでは点灯しませんから、1.5Vの単4乾電池を2個直列にして3Vで利用します。電池ボックスにはスイッチがついているものもあります。

      2. 試作(ブレッド)ボード、
        ブレッドボードは部品を差し込み、部品の端子の穴に線を差し込んで配線して回路を試作するボードです。上下の1列(2列のボードもありあます)の穴は電源用で横方向に接続されています。電源から出ている赤の線を+(プラス)を上に、青(または黒)のー(マイナス、または、グラウンド)の線を下側に接続します。青色の部分が配線領域です。上下の縦穴は裏面で配線されていますので、注意してください。
         

      3. 線材
        ボードの穴に差し込み配線する線です。ジャンパー線とも言います。


  3. 回路実験


    1. ランプの点灯回路

      1. 電源の接続
        スイッチ一つで、ランプを点滅する回路を制作します。まず、電源の+(赤色)の線をブレッドボードの上の電源バーのどこかの穴に接続し、電源の-(黒)を下側の電源バーのどこかの穴に接続します。上下の電源バーの穴は内部で左右方向に接続されています。

      2. 回路
        LED は1.5V以上の電圧が必要です。電源と直結すると過大な電流がLEDに流れます。電流制限用に抵抗330Ωを直列に接続します。


      3. スイッチの配線
         ブレッドボードの中央の穴は上下に分割されています。上および下側の縦方向の5個の穴は裏面で接続されています(図の白い縦線の穴は上下に接続されています)。
         下図左側の回路を参照してください。スイッチのレバーが動く方向(オンオフする方向)を左右方向として、下の図のようにスイッチを差し込みます。スイッチの中央の上側の端子に電源バーから+電圧を入れ(図の赤の線)、スイッチの右下側の端子(オン側端子)に抵抗の一方の線を接続します。
         抵抗の他の線をブレッドボードの下半分側の適当な位置に接続し、同じ列に発光ダイオードの長い側の端子を接続します。最後に発光ダイオードの他方の線を、電源の−バーに接続します。

      4. 実験
        スイッチをオン・オフしてランプが点滅することを確認してください。このとき、スイッチ本体を手で固定してから操作して下さい。そうでないと、スイッチが抜けたり、接続が不安定になります。

    2. 直列、並列回路


      1. 直列(AND)回路
        上の写真右の回路を参照してください。二つのスイッチを直列に接続して、直列回路の動作を確認します。ジャンパー線で上のスイッチのオン側(右)端子から下のスイッチの中央端子に接続をします(図の中央の紫の線)。また、下のスイッチのオン(右)端子から、抵抗を通して発光ダイオードを接続します。最後に、発光ダイオードからー電源バーに接続します。
         二つのスイッチをともにオンとしたときのみ、ランプが点灯することを確認して下さい。

         
      2. 片側をNOT接続にする
        スイッチのオフ側の端子を利用して、A(上)のスイッチがオフ(レバーが右)、B(下)のスイッチがON(レバーが左)のとき点灯する回路を制作してください。

      3. 並列(OR)回路
        同様に、二つのスイッチを並列に接続して、並列回路の動作を確認します。二つのスイッチを上側に左右に並べ、並列回路を作成してください(下図左)。
         二つのスイッチの中央端子と上の+電源バーを接続します。二つのスイッチのオン端子を接続し、一方のオン端子から、抵抗を通して発光ダイオードに接続します。


        左は並列、右は階段灯の回路


    3. 階段灯スイッチ(2スイッチ回路)

      階段灯は上でLEDをオンして、下でオフできます。どちらのスイッチでもオン・オフしますが、スイッチのどちらの方向で、LEDがオンになるかは不明です(相手のスイッチの状態で変化します)。ここでは、2スイッチの階段灯の回路を作成します。

      回路
      二つのスイッチをA,Bとしたとき、 下のように、AとBのオンとオフの両側の接点を接続します。
       

      実験
      どちらのスイッチを切り替えてもランプが点滅することを確認してください。

    4. 3スイッチ点滅回路の実験

      余裕があれば、3個のスイッチのどのスイッチでもLEDをオンオフする回路を制作しましょう。点灯するスイッチと消灯するスイッチは別のスイッチでも点滅が可能とするよう設計して下さい。



      Bのスイッチは、上下のスイッチを同時にオン:オフする必要があります。利用するスイッチは1回路スイッチですから上下に二つのスイッチを配置し接続します。


      実験
      中央の二つのスイッチBは同時に操作してください。どのスイッチを操作しても、ランプが点滅することを確認してください。この回路は、オンであるスイッチの回路が基数のときランプが点灯します(これは、桁上げを考慮した加算回路になります)。

  4. 課題

    1. 課題 

      階段の回路ではA,B の状態が等しいときランプが点灯します。どちらか一方のみがONのとき、ランプが点灯します。これは、EXOR(排他的OR)回路になります。EXOR回路は、桁上げを考慮しない加算回路と同じです。

      ヒント A,B の接続をたすきがけにします。

    2. アンケート


      1:階段回路
       1:できた  2:できたけどヘン    3:できない

      2:実験
       1:簡単だった  2:話よりはまし  3:どーでもよい  4:モーやりたくない

      3:回路実験
       1:やったことある  2:はじめて  

      4:LEDは乾電池1個で
       1:点灯する  2:抵抗をかえれば点灯する  3:点灯しない