一般的に格子多角形の面積に関する定理です。格子多角形内部の格子点の数を I とし、境界線状の格子点の数を B とします。このとき
格子多角形の面積 S は S = I + B/2 - 1 に等しい
というのがピックの定理です。ただし、格子多角形の境界線が自分自身と交わらないものとします。
演習
先の二つの例で、ピックの定理を確認して下さい。
ピックの定理の加法性
ピックの定理を証明するには、ピックの定理の「加法性」を証明することが必要です。二つの多角形を複合した多角形の面積は、各多角形の和になります。ピックの式が面積となるには、この加法性が必要です。一般には、二つの多角形が共有する辺上の格子点の数は不明です。この数を
k とします。また、左右の共有されない格子点の数を、IL と IR とします。
すると、複合図形の内点の数は
I = IL + IR + k
となります。また、境界上の格子点の数を、BL、BR とします。すると、複合多角形の境界点の数 B は共有されている辺の数が余分ですから、
B = BR - k + BL - k - 2
となります。-2 は 共有される辺の両端の点の数です。したがって、ピックの定理による面積は、
S = I + B/2 - 1 = IL + IR + k + (BR - k + BL - k - 2)/2 -1 =
IL + IR + BL/2 + BR/2 -2= (IL + BL/2 -1) +( IR +BR/2 -1)
となります。これは、二つの多角形のピックの定理の数の和になります。