3進数と12枚の金貨

  1. 3進数と天秤ばかり


    1. 3進数

      0,1,2 の3種の数字を並べた数字を3進数といいます。201の場合、一番右の桁は 1 の重み、その左の桁(0)は 3 の重み、その左の桁(2)は 9 の重みになります。

      問題: 3進数 201 は 10進数ではいくつですか?

    2. 問題

      120g までのものを 1g単位で 天秤(両方におもりを載せて、釣り合いで重さを量る道具)で測定するには、最低どんな錘をよういすればよいか?

      答え:1,3,9,27, 81g  の5枚の錘で測定できる。


    3. ヒント

       天秤は、釣り合う、右が重い、左が重い、の3種の場合が考えられます。そこで、3進数で考えます。5g の場合、3進数で (0,1,2) になりますが、このままでは、1g の錘が2枚と3gの錘が1枚必要です。しかし、右側 2g の錘は、右側3g と左側1g の錘で計ることができます。つまり、  1 + 2 = 3 + (-1) となります。これを、(1,-1) と書きます。これで、(0,1,2) は (0,2,-1) となります。これでは、3g が2枚必要です。
       これも同様に考えると、3gの錘 2枚は (9-3)g になります。これは、9gを右、3gを左におくことになります。 したがって、(1,−1,−1)(左に9g、右に1,3g)で、5g の重さを量ることができます。

    4. 問題

      10、30、50、 の計り方(錘の配置)を考えてください。

    5. 問題

      錘は左にしかおけない場合、120k までの計測をするには、どのような錘を何枚用意すればよいか?

      ヒント 2進数で考えよう

  2. 12枚の金貨の問題


    1. 問題

      12枚の金貨があり、このうち1枚が重さが異なる偽金貨とします。天秤を用いて、この偽金貨とそれが本物より重いか、軽いかを発見したい。何回の測定で発見できるでしょうか?

    2. 情報量からの推定

       天秤は、「右が重い」「左が重い」「同じ重さ」の3種類の情報を出しますから、一回の計量で天秤の出す情報量は log23です。必要な情報は、12枚*2(重い、軽い)ですから、log224です。したがって、log 24 /log 3 = 2.9 で、最低3回必要です。
       3回で計量する方法はあります。以下 ダンビドー著 「数学ソフトタッチ」 からの引用です。

    3. 金貨の番号付け:3進数

      3進数で金貨に番号をつけます。7 の場合 2*3 + 1 = 7 ですから、021 になります。10 の場合、 32 + 1 = 10 ですから 101 になります。
      各3進数につき、その各桁の3の補数(0なら2、1なら1、2なら0))をわりつけます。この数値の最初の変化が O>1>2>0 の方向であるとき時計回り、逆方向の場合(2>1>0>2)反時計回りに分類します。
       下は、12枚の金貨に対する3進数とその補数で、反時計回りの数字には * がつけてあります。金貨の番号は時計回りの番号で代表するものとします。ここで、0>1>2>0 のように、各桁の最初の変化が順に上がっている場合時計回り、そうでないとき半時計回りとしています。
       数 3進数 補数
      1 001 221*
      2 002* 220
      3 010 212*
      4 011 211*
      5 012 210*
      6 020* 202
      7 021* 201
      8 022* 200
      9 100* 122
      10 101* 121
      11 102* 120
      12 110* 112

  3. 金貨の秤量


     
    1. 秤量

      C(1,0) を時計回りの番号で(*がつかない)第一桁が0の金貨の集合とします。この C(1,0) の金貨(1,3,4,5)を天秤の左に、C(1,2) の金貨(第一桁が2の金貨で2,6,7,8になります)を右に載せます。このとき、右皿が下降したら2、左が下降したら0、つりあったら1を記録します。
       次に、数字の2桁目で分類します。C(2,0)の金貨(1,6,7,8)を天秤の左に、C(2,2)の金貨を(2,9,10,11)右に載せ、同様に天秤の結果を記録します。
      最後に、C(3,0)(2,3,8,11)の金貨を天秤の左に、C(3,2)の金貨(5,6,9,12)を右に載せ、結果を3桁目の数値とします。この3桁の数値で結果がわかります。

    2. 金貨の鑑定

       結果が3桁の数字が、偽の金貨の番号となります。また、この番号が時計回りであるとき、偽金貨は「重く」、反時計回りであるとき、「軽く」なります。

    3.  たとえば、7枚目の金貨(7=021*=201)が重いとします。

      第1回の秤量では、7枚目の金貨は C(1,2) に入りますから、右が下降します。したがって、最初の数字は2です。
      第2回の秤量では、7枚目の金貨は C(2,0) に入りますから、左が下降します。したがって、次の数字は0です。
      第2回の秤量では、7枚目の金貨は C(3,1) に入りますから、天秤に載りません。したがって、最後の数字は1です。

      鑑定結果は 201 で、これは7枚目の金貨になります。数字が時計回りであることは、偽金貨が重いことを意味します。

  4. 課題

     
    1. 演習:10進数の錘

      10進数の錘で100gまでの計量をしたい。どのような錘が何枚必要ですか(ヒント:1,5,10,50,100gを用意する)。
      36g を計量するにはどうしますか?

    2. 演習:偽コイン問題

      4枚目が軽い偽金貨として鑑定を行い、結果を確認しなさい。また、この方法で、金貨の番号が決定できるからくり(理由)を考えなさい。

    3. 出席カード

       出席カードの表(右)に学籍番号の下6桁の数字を左詰でマークし、確認のため上に手書きで6桁の番号を手書きしてください。
      表には、日付、科目名、氏名を手書きし、アンケートまたは小テストの回答をマークしてください。
        
    4. アンケート(解答欄)

       上に日付、科目名、氏名を手書きしてください。
      解答欄に以下をマークしてください。

      1:今日の内容に興味はありますか?
        1:ある 2:少々 3:余りない  4:ない
      2:天秤と1,3,9,27 の錘を使って、右にのせた10gを量るには、左にどの錘を載せますか
        1:1g 2:3g 3:9g 4:27g
      3:3枚目が重いコインのとき、3回の鑑定で得られる3進数はどうなりますか?
        1:010 2:011 3:221 4:102