講義のねらい

  1. 講義のねらい


    1. ハードからソフト、ネットまで

      「コンピュータの仕組み」はコンピュータのハードからソフトにわたる全般の仕組みを紹介します。取り上げる範囲は、下記のように広範囲にわたります。

      情報の表現
      論理回路
      計算機の構造
      命令とプログラム
      オペレーティングシステム
      ネットワーク

      個々の内容は、専門の講義として詳しく紹介されますが、ここでの目的は予めコンピュータ全般にまたがる「常識」を理解していただくことです。コンピュータの「教養:literacy」 は主に計算機の「使い方:操作法」 を紹介されますが、ここでの目的は、「計算機そのものの動きの仕組み」を身に付けていただくことです。
       内容が広範囲のため、多くの「計算機用語」がでてきます。すべての言葉を正確に理解することは難しいかもしれませんが、少なくとも「どの分野」の用語で、「どこにかいてあった」か? は覚えてください。
       今年度から、教科書として「ウインドウズはなぜうごくのか」を採用します。これは、ウインドウズと呼ばれるOSでの内部の仕組みを紹介しています。関連する分野での話に利用しますから、準備しておいてください。
  2. 講義のあらまし(予定)


    1. 1〜4回:歴史と情報の表現

      講義は、(コンピュータ:以下計算機)の歴史から始まります。よく言われている最初の計算機は「ENIAC」、一般にコンピュータの発明者と呼ばれる「ノイマン」が必ずしも正当な評価ではないことも紹介します。また、現在よく利用されているパソコン(以下ではPC)の構造についても簡単に説明します。
       2、3回では、計算機での表現法を説明します。計算機での情報の表現法、文字や数値の表現法、などについて紹介します。この内容は、計算機の「基礎の基礎」で、小学の低学年で学ぶ国語と算数に相当します。

    2. 5〜7回:ハードの基礎

      5、6、7回は計算機のハードウエア(電子回路)の話です。この内容は別の専門科目で詳しく紹介されますが、計算機の動作を理解するにはある程度の回路の知識が必要です。回路でどのようなことが実現できるか、その概略を学んでください。

    3. 8〜10回:計算機の構造と機能

       計算機が「どのようにプログラムを実行するのか」を理解し、他の人に説明できるように自分の言葉で理解してください。このためには、「機械語プログラム」の構造と機能、それを実行するためのハードウエアをつないで理解する必要があります。
       個々の専門講義では、ハードとソフト、ソフトと専門知識、が分離してしまいがちです。ここでは、計算機に関する自分なりの「地図」をつくり、今後の専門の知識を展開する土台としてください。

    4. 11〜14回:OS、ネットワーク

       計算機を利用するためには、プログラムが必要ですが、そのプログラムの実行を支援するオペレーティングシステム、また、現在、計算機利用の中核的存在になったネットワークの概念(入門)を紹介します。教科書を中心に行います。

    5. 計算機を用いた実習:附録

       多くの事項はPC(パソコン)を用いて実習できます。しかし、限られた講義時間中では実習が困難です。そこで、付録のページに実習できる機能やプログラムを付録の形で紹介します。
       一部の内容は実習の上レポートとして提出してもらいますが、できるだけ多くの分野を体験してください。また、項目の一部はPCに基本的な設定を変更するため、大学の演習室のパソコンでは実行できません。

  3. 基本情報技術者試験


    1. 基本情報技術者資格

       以下は、http://www.jitec.jp/ からの引用です。

       「情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」の水準がある程度以上であることを認定している国家試験です。
       情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、ITに関係するすべての人に活用いただける試験として実施しています。特定の製品やソフトウェアに関する試験ではなく、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる技能について、幅広い知識を総合的に評価しています。 」
      「合格者には一時金・資格手当などといった報奨金制度を設ける企業や、就職の際に試験合格を考慮するなど多くの企業から高い評価をいただいております。IT専門のある出版社が行った調査では、情報サービス産業上位173社のうち、145社が一つ以上の試験区分に対して資格手当などの報奨金を支給しています。合格者には一時金・資格手当などといった報奨金制度を設ける企業や、就職の際に試験合格を考慮するなど多くの企業から高い評価をいただいております。」

    2. 資格と本講義との関連

       この講義での「計算機用語の多さ」の一つの要因は、この技術者試験を考慮した結果でもあります。「知識・技能」の評価は、知識の量に依存します。
       特に、試験の午前の問題はマーク式の選択問題ですから、用語がわからないと判断が困難です。「基本情報」に関する情報は Web で検索すれば必ず見つかります。
       本講義でも紹介しきれない用語の知識は Web から探し出してください。