Eclipseは2001年IBM社が寄贈したアプリケーション開発ツールを土台に、オープンソースとして開発が始まりました。EclipseはCPL(Common Public Lisence)で配布され、利用者が独自に開発した部分は、開発ベンダーが独自のライセンスで配布することができます。すべてソースの公開が義務づけられているGPL方式では、商業利用が採用しにくいからです。
Eclipseは特定の言語やプラットフォームに依存しない開発環境です。Windows、Linux、MacOS、など多くのプラットフォームをサポートし、プラグインを開発すれば、Java、C、PHP,など多くの言語に対応します。
EclipseでJava言語を開発するには、Java2のSDKが必要です。これは、
http://java.sun.com/
Eclipseは下記からダウンロードできます。
http://www.eclipse.org/downloads/index.php
ダウンロードし、zipを解凍すれば利用可能です。ここでは、3.4.1 版での利用法を説明します。
。
Eclipseを日本語表示するため、
http://download2.eclipse.org/downloads/drops/L-2.1.2_Translations-200312151300/index.php
から、eclipse2.1.2.1-SDK-win32-LanguagePackFeature.zip をダウンロードできす。
立ち上げると、次のようなウインドウが表示されます。左が開発中のパッケージの内容を表示するパッケージビュー、右がエディタの画面、右下はタスクビューで、コンパイラや実行時のメッセージが表示されます。
ファイルメニューから、「新規」>「プロジェクト」を選択します。「Java」、「javaプロジェクト」をクリックして選択し、「次へ」をクリックします。
「プロジェクト名」にプロジェクト名(プログラムを保存するフォルダの名前でここでは hello とします。)、「ディレクトリー」にフォルダを保存する「ファイルパス」を指定します(このときデフォルトのチェックをはずします)。「次へ」をクリックします。「ビルド」の設定は不要ですから、「終了」します。これで、プロジェクトのフォルダが生成されます。
左のパッケージビューにプロジェクト名が表示されます。「hello」を右クリックし、「新規」>「クラス」を選択します。クラスウインドウが表示されます。「名前」にクラス名(ここでは
hello )を記入し、mainを含むクラスの場合、下の「public static void main
」にチェックをつけ、終了ボタンを押します。
これで、main メソッド を作成する準備が完了します。
「public static void main(String[] args) { 」の下に、次の行を入れます。
System.out.println("hello");
ここで、いろいろな入力補助機能が働きます。「System.」の入力後少し間をあけると、メニューが現れ、Systemに含まれる関数やクラスのメニューが現れます。選択することもできますし、キー入力を続けることもできます。「out.」,println
も同様です。「(」を入力すると、対応する 「)」 も入力されます。「"」を入力すると、対応する 「"」が自動入力されます。したがって、「hello」を入力したら、→キーを2回押し、最後の 「;」を入力します。
最後まで入力しても、赤色の波線が消えない場合は、入力に誤りがあります。チェックして下さい。
「実行メニュー」の「実行」をクリックします。実行用ウインドウが開きます。「javaアプリケーション」を選択します。始めての実行の場合、左下の「新規ボタン」を押します。先頭の行に、実行メニューの名前が設定できます。次にプロジェクト名とメインクラスが表示されます。必要があれば変更後、右下の実行ボタンを押します。「リソースの保管」メニューが出た場合、「ok」を押します。
実行メニューには、main() メソッドへの引数などの設定も可能です。
プロジェクトを選択してから「ファイル」メニューの「閉じる」でプロジェクトを閉じて下さい。必ずしも閉じる必要はありませんが、間違えて他のファイルを変更してしまうミスを防ぐことができます。
「新規プロジェクト」、「新規クラス」の作成はアプリケーションと同様です。ここでは、以下のアプレットクラスを入力します。
import java.applet.Applet; import java.awt.Graphics; public class hello extends Applet { public void paint(Graphics g) { g.drawString("Hello, world!", 50, 25); } }
次に、「実行メニュー」の「実行」で、実行を開始します。アップレットビューワが開き実行されます。
各種の設定は「ウインドウ」メニューの「設定」から変更できます。
プログラム中で不具合が見つかると、赤の波線でエラーが表示されます。同時に左側に電球が表示されている場合、この電球をクリックすると、システムが考える
エラー判断 の理由が表示されます。
import の必要があるクラスライブラリを import なしで利用すると、エラー候補にクラス名の
import が表示されます。
先頭のjavautil.Map をクリックすると、import が自動的に組み込まれます。
これは、補完機能で、"クラス名." を入力すると、クラスのメソッドの一覧が表示されます。また、変数名の入力中 ctrl
+ 空白 で、変数名が補完されます。
編集メニュの検索(ctrl-F)、置換で文字列の検索や置換ができます。F3で次の検索に進みます。
また、増分検索(Ctrl-J)を選択すると、文字を入力する毎に対応する文字を探し出します。上下矢印キーで前後の検索に移動します。ESCで増分検索は終了します。
プログラムの部分を選択し、「ソース」メニューのフォーマットでプログラムを整形できます。
クラス名を選択し、「リファクタリング」メニューの「名前の変更」でクラス名の変更ができます。クラス名変更に伴う処理を自動的に行ってくれます。
一つのプロジェクトに複数のアプリやアプレットを含むクラスを組み込むことができます。アプリやアプレット毎にプロジェクトを作成する必要はありません。
プロジェクトと実行は別の機能として動作します。したがって、プロジェクトとして選択していないアプリを実行することができます。また、一つのアプリやアプレットで引数が異なる複数の実行を名前を変えて登録できます。
アプリとしても実行できるアプレットを作成した場合、アプリとしての実行メニューとアプレットとしての実行メニューの両方を作成できます。
アプレットの実行は、ブラウザではなくappletViewer を利用します。したがって、アプレット実行用の
.htm を作成する必要はありません。ただし、実行のメニューで指定をしないと、ウインドウサイズは200*200となります(実行時に拡大可能です)。
デバッグ機能は、プログラムの不具合場所の確認を援助するツールです。指定位置で実行を停止したら、1行単位で実行したり、現在の変数の値を確認できます。
実行メニューのデバッグで開始します。
エディタ画面で、プログラム行の左端をダブルクリックすると青色のマークが現れ、ブレークポイントを設定できます。プログラムの実行がブレークポイントに到達すると、一時停止します。
ブレークポイントで一時停止した場合、「実行」メニューからステップ実行を指定します。これは、ソースを1行単位で実行します。ステップインの場合、メソッドの呼び出しで、呼び出したメソッドのステップ実行に移ります。ステップオーバーの場合、メソッドの内部には入らず、メソッドを実行してから一時停止します。
ステップ実行は、ショートカットキー(F5,F5キーなど)を用いると便利です。
一時停止中は、変数を選択し 右クリックのメニューから「表示」を選択すると、変数の値を「表示」ウインドウに表示できます。また、「インスペクション」を選択すると、「式」ウインドウに値が表示されます。