Javaプログラムの例

  1. Javaプログラムの例


    1. プログラムサンプル

      Javaのプログラムは class 単位で記述します。もっとも簡単なプログラムの例を示します。まず、app という名前の public 宣言されたclass:クラスを定義し、その内部に、main() メソッドを記述します。クラスは、プログラムをまとめる「入れ物」です。public は外部から利用できる関数であること、void は結果を返さないことを意味します。 static は 実行時に動的に生成するのでなく、コンパイル時に予め生成しておくことを意味します。
       System.out.println("");は、" "の内部の文字列を表示する関数です。

      public class app {
        public static void main(String[] arg) {
        //最初のプログラム
          System.out.println("hello");
        }
      }

    2. クラスファイルとコンパイル

       public class app { } はクラスを定義する記述です。publicはこのクラスがどこからでも利用できることを示します。public class を記述するソースファイルはクラス名と同じ名前を付ける必要があります。したがって、このばあい、app.java ファイルにプログラムを書き込みます。
       コンパイラは app.javaファイルを app.classファイルに変換します。システムは app クラスが必要な場合、app.class ファイルを探します。したがって、一つの java ファイルに定義できる public なクラスは一つだけです。

    3. メソッド(関数)

      public static void main(String[] arg)
       {. .} 
      では main メソッドを記述しています。メソッドはC言語の関数に対応します。mainメソッドは、最初に実行するメソッドで、main()メソッドにはpublic宣言が必要です。
       また、main()メソッドには後から説明しますが、static(後述)の指定が必要です。

    4. 注釈と空白

      行頭が // で始まる文は注釈で、プログラムを実行するときは無視されます。一つ以上の空白は無視されますが、漢字(全角)の空白は、「異常な文字」の扱いになります。注釈以外では、全角の空白を入れないよう注意してください。

    5. システムメソッド

       System.out.println("hello"); はSystemクラスの out.println() メソッドを呼び出します。Javaでは、java.langパッケージ(ライブラリ)は特別な宣言をしないで利用できます。Systemクラスはこのjava.langパッケージに含まれます。"hello"はprintln()メソッドの引数で、この文字列を標準出力(画面)に表示します。これは、C言語の printf() に対応します。

  2. SDK(JDK)による実行


    1. コマンドライン

      SDK(JDK)はJavaの開発用ツールキットで、SUN社が提供しているJava言語の開発環境です。以前はJDKと呼ばれました。SDKではコマンドプロンプトウインドウを利用し、コマンドによりプログラムを作成し、実行します。SDKはフリーウエアとして公開されています。詳細は「SDKによるJavaプログラミング」を参照して下さい。

    2. javaファイル

       先のappクラスのプログラムを、app.javaの名前のテキストファイルとして保存します。ファイルの名前とクラス名は大文字小文字を含めて一致させる必要があります。

    3. コンパイル

      コンパイルには、コマンドプロンプトを利用します。jaba ファイルを保存したディレクトリで、「コマンドウインドウ」で
       >javac app.java
      でコンパイルします。これでで、app.classファイルが生成されます。

    4. 実行

      実行は、コマンドウインドウで
       >java app
      で行います。これでJavaのVM(Java仮想マシン)がapp.classファイルのなかのmain()メソッドを探し実行を開始します。

    5. 仮想マシン(VM)

       java言語 は特定のプロセッサで実行できる機械語に変換されるのではなく、仮想機械:VM(Virtual Machine)で実行される命令に変換されます。したがって、Windowsで利用されるプロセッサだけでなく、アップル社、PDA、携帯電話などのプロセッサでも VM が組み込まれていれば、実行することができます。
       VMでの実行は、プロセッサの命令よりも一般には遅くなりますが、汎用性は高くなります。ホームページで実行されるプログラムにJava言語が利用されているのも、Java のプロセッサを選ばない性質が評価された結果です。