JBuilderの利用法

  1. プロジェクトを開く

    1. プロジェクトを開く
      作成済みのプロジェクトは、プロジェクトフォルダの先頭にある*.jpxをダブルクリックして開きます。Jbuilderが立ちあがっている場合、ファイルメニュの「プロジェクトを開く」で.jpxを選択します。

    2. プロジェクトの切り替え
      複数のプロジェクトを読み込んだ場合、ツールバーの3行目の.jpx横の三角マークをクリックしてメニューから切り替えが可能です。
       

    3. 新規クラスを作成する
      ファイルメニューの新規クラスで新規クラスを作成します。フレームを extend したクラスを作成すると、「設計」タブで、GUI部品を配置できます。新規クラスを他のクラスで参照するには、プロジェクトメニュの「メイク」でそのクラスをコンパイルする必要があります。

  2. 編集
    1. エラー表示
      エディタで入力している段階で、発見したエラーが表示されます。エラー行をダブルクリックすると、エラーを発見した行にカーソルが移動します。

    2. 設計画面がでない
      ソースにエラーがあると、「設計」タブを押しても、部品配置画面が表示されない場合があります。

    3. 段付け
      ソースを選択してTabキーを押すと、自動的に段付けができます。

    4. 括弧の対応付け
      Jbuilder7から、一方の括弧にカーソルをおくと、対応する括弧が自動的に表示されます。

    5. メソッド、変数の一覧
      エディタでクラスのオブジェクトを指定し、 . を入力すると、そのオブジェクトで利用できるメソッドや変数の一覧が表示されます。一覧が出ないときは、オブジェクトの指定が間違っています。

    6. 利用するメソッドの詳細
      sun社から、詳細なマニュアルの説明がwebで提供されています。
       http://java.sun.com/j2se/1.3/ja/docs/ja/api/  
      かなり、長大なファイルです。ゼミ内の場合、durian/public/java に、1.2、1.3、1.4 のマニュアルがありますから、こちらを利用してください。

  3. 実行
    1. 実行
      Jbuilderでは、実行メニュから実行を選びます(またはF9)。

    2. 経過表示
      実行の経過を確認するには、System.out.println() をプログラムに組み込みます。実行時にシステムメッセージとして表示されます。

    3. デバッグ実行
      一時停止(ブレーク)をする位置を選択して、F5キーを押します。デバッグ実行を行うとブレーク位置で停止します。以後、一文ずつ実行できます。監視式を指定すると、その値を表示できます。

    4. 実行用ファイル
      実行時に利用する音や画像ファイルは、classesフォルダに保存します。実行時はこのフォルダ直下のファイルをそのまま参照します。

    5. アプレットの実行
      アプレットのcodeは code = "ex1.Applet1.class" となり、classファイルはex1フォルダの内部にApplet1.classファイルとして保存されます。以下に自動生成される実行用htmlの例を紹介します。ex1はプロジェクト名(パッケージ名)です。

      <APPLET
      CODEBASE = "."
      CODE = "ex1.Applet1.class"
      NAME = "TestApplet"
      WIDTH = 400
      HEIGHT = 300
      HSPACE = 0
      VSPACE = 0
      ALIGN = middle
      >

  4. デバッグ
    1. 表示
      変数の値を簡単に表示するには、System.out.println(); を利用します。このメソッドは言語Cのprintf()のように、メッセージ欄に、変数の値を表示することができます。

       t:の文字を表示して、変数tを表示します。次にv:を表示して、vの値を表示し、改行します。
       System.out.println("t:"+t+" v:"+v);

    2. メッセージ
      コンパイルエラーが出たら、そのメッセージをよく読みましょう。読み慣れると、意味がわかるようになります。また、実行時のエラーは、エラーを起こすまで、どのメソッドが呼ばれているか、表示されます。最初がエラーを起こしたメソッド、その次が上の行のメソッドを呼び出したメソッドが表示されます。
    3. アプレットが表示されない
      Java2のメソッド(swingや高度なAWT)を利用していると、表示ができません。java2を参照して、java2のVMに変更してください。

  5. 設定
    1. フォント
      ツールメニューのエディタから設定ができます。

    2. アプレットウインドウのサイズ
      ウインドウのサイズは「プロジェクト」メニューのプロパティで、現れるプロパティウインドウの「実行」タグで、アプレットを選択し、「詳細」ボタンを押すと、設定できます。

    3. マウスのスクロールの利用
      jbuilder標準ではマウスのスクロール機能は利用できません。しかし、拡張機能用のライブラリ Jbuilder7\lib\ext に追加することで、機能拡張が出来ます。拡張機能用のファイルはjbwheel.jarとjbwheel.dllは
       http://czerwonykapturek.tripod.com/jbWheel/jbwheel.html
      から入手できます。研究室では \Public\JBuilder7\JBWheel にあります

    4. AWTの位置
      GUIの部品ライブラリ awt は、Jbuilderでは見にくい位置にあります。ツールメニュの「パレット」の設定で、この位置を変更できます。

  6. アプリケーションを作成する
    1. アプリケーションとして実行できるアプレットの作成
      アプレットを、コマンドラインから実行できるようにするには、アプレット作成ウイザードのステップ 1/4 で、「スタンドアローンで実行可」をチェックしておきます。これで、main()メソッドが自動的に組み込まれます。そのままアプレットとして実行できますし、Javaコマンドで実行することもできます。この場合、アプレットに関するアクセス制限はかかりません。

    2. アプリケーションを作成する(2)
      アプレットでなく、アプリケーションを作成する場合は、新規メニューで「一般」の「アプリケーション」を選択します。これで、mainのクラスとフレームを利用するクラスが作成されます。フレームクラスは、「設計」画面で部品を配置することが出来ます。プログラムはアプレットの場合と同様ですが、アプレットのように、ファイルやネットワークに関する制限がありません。
       mainクラスはフレームクラスを生成するだけの役割です。(アプレットの場合、この部分はwebのブラウザが処理をします)。

    3. 別の*.javaソースをJbuilderで実行したい
      既に作成されている .java のソースファイル(ex.javaとします)をJbuilderで実行したい場合、まず、「新規プロジェクト」メニューでプロジェクト(ここでは pr とします)を作成します。これで、プロジェクトのファイル(pr.jpx)のみが生成されます。
       次に、「プロジェクト」メニューの「新規クラス」でクラスを生成します。このとき、クラス名はex.javaのクラス名と同じにし、ベースクラスには、ex.javaが継承しているクラス(通常 awtかswing)を指定します。クラス生成後、「メイク」をすると、必要なフォルダ(src、classes 等)が生成されます。生成されたソースファイルをコピー&ペーストで、作成済みのソースに入れ替えます。ただし、先頭の package文 はそのまま残します。
       ソースファイルが複数の場合、生成された src フォルダにソースファイルを追加し、「ファイル追加機能」で、javaファイルをプロジェクトに追加します。また、追加ソースの先頭に、
        package pr;
      を追加します(pr はプロジェクト名です)。あるいは、同様に「新規クラス」を生成し、作成されるソースを入れ替えます。
        「プロジェクト」の「実行」をすると、「プロジェクトプロパティ」のダイアログが立ち上がります。「実行」タグをクリックして「実行プロパティ」画面を出します。「新規」を選択し、「実行時プロパティ」画面を出します。「アプリケーション」タブを選択し、「メインクラス」の参照ボタンをクリックします。現れるパッケージ名のメニューから、作成したプロジェクト名(ここではpr)をクリックします。クラス名が表示されますから、main() を含むクラス名を選択し、「ok」で戻ります。これで、プロジェクトの「実行」でできます。作成しているプロジェクトがアプレットなら、「アプレット」タブを選択し、同様にアプレットを含むクラスを選択します。
       「実行時のプロパティ」を指定しないでも、実行メニューの、「実行時設定を利用して・・デバッグ」を選択しても、実行できます。

    4. Javaプラグラムをダブルクリックで実行する
       Javaプログラムをダブルクリックで実行するには、bat型ファイルを利用します。batファイルは、実行するコマンドを記述した文字ファイルで、エディタで作成できます。たとえば、jdrawプロジェクトのclassesフォルダに以下の1行のjdraw.batファイルを作成します。
       java jdraw.Applet1
      jdraw.batファイルをダブルクリックすると、コマンドプロンプトのウインドウが立ち上がり、javaコマンドを実行します。正常に実行するにはjavaコマンドのパスが定義されていること、batファイルから、指定した名前の .class ファイルがアクセス可能であることが必要です。このパスやclassファイルの意味については、「JDKによるプログラミング」を参照してください。

  7. エラー処理

    1. エディターレベル
      バージョン7以後では、編集中に文法エラーが表示されます。名前のエラーなどは、すぐに確認できます。

    2. 複数クラスのプロジェクト
      複数クラスのプロジェクトを作成する場合、完成したソースを選択し、「プロジェクトメニュー」から、「メイク」を行いクラスファイルを作成しないと、編集時や実行時にエラーになります。

    3. 実行時のエラー
      実行時にエラーを検出すると、次のように実行スタックを表示して実行を中断します。これは、エラーを検出するまでに呼び出したメソッドとその行番号を表示しています。下の例では、jdrawパッケージのApplet1クラスのpaintメソッド(行番号121)で、NullPointerException(nullポインタを利用してアクセスした)のエラーがでたことを意味します。この種のエラーの多くは、参照変数を定義したが、それを new で実体(インスタンス)を作成していない場合に起こります。
       なお、エラーの行番号は、「検索」メニューの「指定行に移動」で確認できます。
      実行スタックの下の行は、システムが自動的に呼び出しているメソッドです。
      Exception occurred during event dispatching:
      
      java.lang.NullPointerException
              at jdraw.Applet1.paint(Applet1.java:121)
              at java.awt.Container.update(Container.java:981)
              at sun.awt.RepaintArea.update(RepaintArea.java:337)
              at sun.awt.windows.WComponentPeer.handleEvent(WComponentPeer.java:200)
              at java.awt.Component.dispatchEventImpl(Component.java:2663)
              at java.awt.Container.dispatchEventImpl(Container.java:1213)
              at java.awt.Component.dispatchEvent(Component.java:2497)