スレッドと同期

同期
対戦型ゲームをおこなうとき、相手側の実行終了を待ち合わせる必要があります。相手の実行をボタンで知らせる場合、このボタンイベントに「同期」をかける必要があります。
スレッドの同期
1. スレッドの待ち合わせ
  　スレッドに同期機能があります。スレッドで　wait() を実行すると、notify(); が別のスレッドから実行されるまで、スレッドは実行を停止します。同期処理を行うメソッドの宣言には、synchronized を付加する必要があります。
```
   synchronized  public void waitButton(){
      try{
           wait();
      }catch( InterruptedException e){}
    }
```
2. 同期（待ち合わせ解除）
  　wait() で待ち合わせ状態のスレッドを再開するには、notify()　（「通知する」の意味）を実行します。notifyを実行するスレッドにも　synchronized　が必要です。
```
 synchronized public void step(){
    notify();
 }
```
プログラム構成
1. プログラム構成
  　ここでは、メインスレッドとなるアプレットクラス　sync　と、メインスレッドから起動されるスレッドを定義する　クラスproc　の二つのソースファイルに分割して記述します。
  　syncクラスでは、まず、init() で結果を表示するラベルと次のステップに進む「step」ボタンを生成します。次に、start()クラスで、proc クラスを生成し、スレッドの実行を開始します。
2. procクラス
  1. Threadクラスの継承
    このクラスは、　次のように、Tread　クラスを継承しています。
    　public class proc extends Thread
    これは、
    　Javaでは　クラスの継承は一つに限定されるため、
    　public class extends Applet, Thread
    のような、複数の継承はできません。
    　それで、Threadの　インターフェース版　である、　Runnable を
    　public class extends Applet, implements Runnable
    として組み込んでいます。
    　
  2. run( )
    　スレッドでは、　run( ) メソッドの内容を、他のスレッドと並行に実行します。ここでは、ダミーの繰り返し処理を実行後、ラベルに　* を追加し、waitButton(); を呼び出します。これは、スレッドの同期処理で「step」ボタンが押し下がられるまで、実行を休止します。
    　対話型ゲームの場合、ダミーの部分でコンピュータ側の処理を実行します。ここで、人の処理を待ち、「step」ボタンが押されると、次の、繰り返しに進みます。
```
 public void run(){
      String st="";
      for(int i=0;i<10;i++){
           for(int j=0;i<10000;j++){ 
              //dummy 
            }
        st +="*";
        main.msgLabel.setText(st);
        waitButton();
      }
       main.stepButton.setEnabled(false);
    }
```

プログラム

メインスレッド

public class sync extends Applet{
    
    proc proc1;
    boolean alive=false;

    public Button stepButton = new Button();
    public Label msgLabel=new Label();
    
    public void init(){
        msgLabel.setText("textField1");
        msgLabel.setBounds(new Rectangle(20, 20, 100, 20));
        
        stepButton.setLabel("step");
        stepButton.setBounds(new Rectangle(40, 60, 70, 20));
        stepButton.addActionListener(new ActionListener() {
          public void actionPerformed(ActionEvent e) {
            stepButton_actionPerformed(e);
          }
        });
        setLayout(null);
        add(msgLabel);
        add(stepButton, null);
    }
    
    public void start(){
        proc1=new proc(this);
        proc1.start();
    }
    
    void stepButton_actionPerformed(ActionEvent e) {
      proc1.step();
      //proc1.notify();
    }

}

同期スレッド

public class proc extends Thread{
        sync main;

        public proc(sync sync) {
                this.main=sync;
        }

        public void run(){
          String st="";
          for(int i=0;i<10;i++){
                for(int j=0;i<10000;j++){ 
                        //dummy 
                }
           st +="*";
                main.msgLabel.setText(st);
                waitButton();
          }
          main.stepButton.setEnabled(false);
        }
        
        synchronized  public void waitButton(){
                 try{
                         wait();
                   }catch( InterruptedException e){}
         }

         synchronized public void step(){
           notify();
         }
}

実行
step ボタンを押すと　*　が一つ現れます。10回で終了します。

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