オシロスコープは発振(Oscillation)とScope(観測する装置)の造語で、波形観測装置の総称です。水平方向に一定時間間隔で、各時刻の電圧の強さを表示します。
水平方向の時間間隔を切り替えることで、早い信号(10MHz)から遅い信号(0.1Hz)まで表示できます。早い信号を表示できるオシロは高価になります。
水平方向に表示する速度から、波形の周期が測定できます。周期は通常、画面1目盛り当たりの時間(Time/sec)1であらわします。また、電圧も入力回路の設定感度から測定できます。入力感度は、1目盛り当たりの電圧で設定します。ただし、オシロに付属している測定ケーブル(プローブ)は、電圧を1/10にしている場合があります。
オシロによる観測で一番厄介な問題は画面上の波形を静止させることです。繰り返し波形を表示するとき、表示の開始を波形の先頭にあわせる(同期をとる)ことが必要です。このため、オシロには トリガ
回路があり、波形の先頭(や最後)の瞬間を捕まえて、表示を開始します。トリガは「銃の引き金」を意味します。
しかし、複雑な波形の場合「波形の先頭」を判断することは困難で、この場合、波形の先頭を示す信号をトリガ信号として、トリガ回路に接続します。観測信号からトリガをする方法を内部トリガ(Internal
Trigger)といいます。
多くのオシロでは複数の信号波形を同時に表示することができます。表示できる信号をチャンネルと呼びます。2-6チャンネルのオシロが市販されています。複数の信号を時間を揃えて表示するには、適切なトリガ信号を選択する必要があります。
測定周波数が高くない(100MHz以下)の場合、測定信号をAD変換してメモリに保存し、保存した内容を読みながら表示する方法があります。表示装置として通常のパソコンが利用できますから、安価な波形観測システムができます。この方法はメモリやAD変換速度に制約されますが、繰り返しでない単発信号の表示も可能です。
お城には数十の切り替えスイッチや「つまみ」があります。オシロの構造と関係付けて理解することが、操作法に慣れる近道です。
チャンネル数だけの入力回路があります。入力信号がディジタルの場合、切り替え(AC-GND-DC)はDCにします(図の5,11)。GNDは入力を0Vにします。このときの表示波形の位置が0Vの位置になります。表示位置は
POSITION で移動可能です(12,13)
入力電圧が小さいとき、入力回路の感度を設定して信号を増幅します(7,9)。感度の単位は V/DIV
で、1目盛り当たりの電圧で指定します。入力感度を連続的に変更するボリューム型のつまみがある場合、これを、右に回しきると正しい設定値になります。
表示するチャンネルを指定します。同時2チャンネル表示も可能です(14)。
水平方向に表示する時間を指定します。時間は 時間/目盛り で指定します。連続可変するつまみがある場合、これを右に回しきったとき正しい時間になります(23,25)。
トリガ信号を選択する切り替えスイッチ(Torigger Source)があります(16:Source)。通常、内部(Internal)に設定します。内部トリガの場合、さらにトリガを取り出すチャンネルを指定します。
他にトリガをかける信号のレベルを設定するLevelつまみ(22:Level)や、トリガをかける波形の立ち上がりと立下りを指定するSlope(21)などの切り替えもあります。
画面に表示する電子ビームの強さ(2:Intensity)、絞込み(3:Focus)、画面メモリの表示(4:Illumination)などが調整できます。
表示がでない:
トリガ信号がてていない場合(トリガソース、level、Coupling)
波形が静止しない
トリガ系を調整します
水平線のみ表示される
垂直感度を上げる
信号電圧が弱い
表示がボケている、弱い
Focus、Intensity の調整をする