ツェナーダイオード

原理
一般にダイオードは逆方向には電流は流れませんが、一定以上の電圧をかけると、急激に電流が流れます。この電圧をツェナー電圧といいます。ツェナーダイオードは、低いツェナー電圧となるよう製作されたダイオードで、一定の電圧を出力します。

TL1431ACZ
 低電圧でもmVレベルの参照電圧を生成する3端子素子です。参照電圧端子を利用して、外部抵抗により、0〜70度の範囲で2.5Vから36Vまでの参照電圧を提供してくれます。カソード電流は10mAまで流せます。

製品
NECのRD**シリーズがあります。

問題点1
ツェナーダイオードはスイッチング動作をします。両端電圧がツェナー電圧を越すと導通し電圧を落としますが、ツェナー以下になると、オフになり電圧が上がります。これを繰り返して、「一定」電圧を保ちます。これは、ノイズ源にもなります。

2.5V 定電圧回路

問題点2
ツェナー電圧が5.6V以上なら、ツェナー電圧は、流れる電流や温度に依存しませんが、それ以下の場合、ツェナー電圧は変動し実用的でありません。
 公称3.3Vのツェナーダイオードを実測すると2.84Vだったりします。

実測
参照電圧を2台のテスターで測定してみました。1台は2.515V、他は2.524Vでした。テスタの仕様書では、誤差は読み取り値の0.5%ですから、10mV程度の誤差があります。

定電圧回路
ダイオードに抵抗を通して、ツェナー電圧以上の逆電圧をかけます。ダイオードの電流は許容電流以下となるよう抵抗を調整します。
 出力側に負荷抵抗を接続しても、出力電圧がツェナー電圧以下にならなければ、電圧は一定になります。

可変定電圧回路
R2の両端の電圧が2.5Vになります。出力電圧は、Vref*(1 + R1/R2)
出力電圧以上の入力電圧が必要です。 Rは、ツェナー電流が100mA以下となるよう調整します。