スイッチ回路の実験
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目的
機械式スイッチを用いて、論理的演算ができることを確認します。
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使用器具
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電源と配線用試作ボード
- 電源
交流100Vを低電圧の直流に変換する装置で、直流電源として乾電池の代わりに使用します。電圧(Voltage)は5V固定です。
これは、組込用の電源なので100vの端子がさわれる場所にあります。感電しないよう注意して下さい。また、簡易接続をしていますから、100Vコードは優しく扱ってください。
- 試作(パッチ)ボード
パッチボードは、部品を差し込み、部品の端子の穴に線を差し込んで配線して回路を試作するボードです。両側の1列の穴は電源用で縦方向に接続されています。通常赤の+(プラス)を上に、青(または黒)のー(マイナス、または、グラウンド)を下側に接続します。
- 線材
パッチボードの穴に差し込み配線する線です。ここではジャンパ線とも言います。
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部品
- スイッチ、
棒を上下に動かして、スイッチの端子をオン、オフします。左側中央の端子と上下の端子がオン、オフします。
- スイッチ
- 発光ダイオード、
発光ダイオードには極性があり、電圧をかける方向を間違えると発光しません。長い方の腺にプラス側を接続します。10mA(ミリアンペア)程度の電流を流すと発光します。順方向に接続したときダイオードの抵抗の値はほとんど0です。
発光ダイオード(LED)は電球が高い温度に熱した金属が光る現象を利用しています。発光ダイオードは半導体内部でN型半導体の過剰な電子が、P型半導体の電子不足部(正孔)に結合するとき放出するエネルギーで発光します。
LEDに流れる電流はごく僅か(10mA)ですが、室内では十分明るく発光し寿命は半永久的です。実験用の小さな電球に流れる数百Aとなり、高温になるため寿命が短くなります。
- 抵抗
電源と発光ダイオードを直結すると、電流が流れすぎます。発光ダイオードに流れる電流を調整するために抵抗を利用します。抵抗の値は表面のカラーバンドの色で表示されています。ここでは380オームを利用します。
抵抗は炭素の皮膜でできています。電流を流すと発熱するため、流すことができる電流(加える電圧)に限度があります。使用する抵抗は1/4w(ワット)です。
- 問題
電圧vを抵抗rにかけると、i=v/r の電流が流れます。このとき、消費する電力は v・i です。380オームの抵抗に5vの電圧をかけたとき、抵抗でに流れる電流(アンペア)と消費される電力(ワット)を求めなさい
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回路製作
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ランプ点灯回路
まず、スイッチ一つで、ランプを点滅する回路を制作して下さい。まず、電源の+(赤色)を上の電源バーに接続し、電源の-を下側の電源バーに接続します。上下の電源バーの穴は内部で左右方向に接続されています。
次に上の電圧バー>スイッチ中央に、スイッチON側>抵抗>発光ダイオード(長い端子)、発光ダイオード(短い端子)>電源- の順に接続します。
回路
配線例
スイッチのオンオフする方向を左右として、下の図のように中央にスイッチを差し込みます。電源+をスイッチの中央端子に入れ、スイッチの右(または左)に抵抗の一方の線を接続します。抵抗の他の線を適当な位置に接続し、同じ列に発光ダイオードの長い端子を接続します。発光ダイオードの他の線を、電源の−に接続します。
- 注意
スイッチをオン・オフするとき、スイッチ本体を手で固定してから操作して下さい。そうでないと、スイッチが抜けたり、接続が不安定になります。
- 抵抗の値
発光ダイオードを点灯させる電流は10mA(ミリアンペア)程度ですから、電圧を5Vとすると抵抗値は300-400オームとなります。実験では380オームの抵抗を利用します。
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直列、並列回路
- 直列回路
二つのスイッチを直列に接続して、直列回路の動作を確認しなさい。ジャンパー線で上のスイッチのオン端子から下のスイッチの中央端子に接続をします。下のスイッチのオン端子から、抵抗、発光ダイオードを接続します。
二つのスイッチをともにオンとしたときのみ、ランプが点灯することを確認して下さい。
- 片側をNOTする
A(上)のスイッチがオフ、B(下)のスイッチがONのとき点灯する回路を制作しなさい。
- 並列回路
同様に、二つのスイッチを並列に接続して、並列回路の動作を確認しなさい。二つのスイッチを上側に左右に並べ、並列回路を作成しなさい。
二つのスイッチの中央端子と上の電源バーを接続します。二つのスイッチのオン端子を接続し、一方のオン端子から、抵抗>発光ダイオードを接続する。
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階段灯スイッチ(2スイッチ回路)
最初に、2スイッチの階段燈の回路を作成します。
二つのスイッチをX,Yとしたとき、 X・ Y + ^X・ ^Y を作成します。
3スイッチ点滅回路の制作
3個のスイッチのどのスイッチでもランプをオンオフする点滅する回路を制作しましょう。点灯するスイッチと消灯するスイッチは別のスイッチでも可能とするよう設計して下さい。
Bのスイッチは、上下のスイッチを同時にオンオフできる必要があります。利用するスイッチは2回路スイッチですが、パッチボードで各端子が接続されてしまうため、1回路分しか利用できません。そこで、上下に二つのスイッチを配置し接続します。
接続
スイッチ、抵抗、発光ダイオードを配置する位置を定めます。左右の中央のスイッチは二つのスイッチを上下に配置します、このスイッチは2回路ですが、パッチボードで相互に接続されてしまいますから、1回路のスイッチとなります。スイッチは配置後いったんボードから取り、配線後再度差し込むほうが、作業が楽でしょう。
電源のプラス)から、右のスイッチの中央端子に接続します。
右のスイッチのオン側と中央の二つのスイッチのオンとオフ側の端子を接続します。
右のスイッチのオフ側と中央の二つのスイッチの未接続のオフとオン側の端子に接続します。
中央の二つのスイッチの中央端子を左のスイッチのオンとオフ側の端子に接続します。
右のスイッチの中央端子から、抵抗・発光ダイオードを接続します。