ゲート素子による論理回路

  1. IC、部品の利用法

    1. ICの実装と電源

      1. ICのピン配置

        ICは下の図のように14または16ピンのパッケージに実装されています。ICのピンは切り欠きを左にして、下のように番号が付いています。一つのICに複数のゲート素子が組み込まれています。

      2. 電源

        電源は、7ピンにグランド、14ピンに5Vを接続します。電源電圧(5V)の許容値は0.5Vです。

      3. 信号のHとL

        ICの出力端子はまず、点灯回路で実験します。3V以上の高い電圧をH(High)、0.5V以下の低い電圧をL(Low)と表記します。多くの場合、Hを論理値1、Lを論理値0に対応させます。

    2. ゲート素子

      1. AND,OR素子

        IC7408には2入力ANDが4個入っています。同様にIC7432は2入力のORが4個入っています。
         7ピンに電源の0V(グランド)を接続し、14ピンに5Vを接続します。1,2ピンにH、または、Lを接続すると、その論理ANDが3ピンに出力されます。

      2. NOT素子

        7404はNOT素子を6個組み込んだICです。電源を接続し、たとえば1ピンに入力を入れると、2ピンに出力がでます。

      3. 論理図と回路図

        各ゲートの論理図の入出力端子には接続するICの番号(名前)とピン番号を明記します。下図の(b)の論理図で、a,bがICの名前、端子の番号がピン番号です。これで、(a)のような回路図を書かなくても、素子aの2番ピンから、素子bの1番ピンに接続されていることがわかります。

  2. NOT素子の実験

    まず、点灯回路でゲート回路の単体を実験します。

    1. ICの挿入と引き抜き

      まず、IC7404をパッチボードに挿入します。ピンが多いので、すべてのピンが穴に入るよう注意して挿入しましょう。ICをパッチボードから抜く場合、不用意に抜くとピンを指に刺したり、ピンを曲げてしまいます。ゆっくり、注意して抜きましょう。

    2. 配線

      1. 電源の接続

        接続前に、電源のGND(黒色)をパッチボードの下側の電源バスに接続します。次に下側の電源バスからIC7404の7ピン(下側の一番右)に接続します。同様に電源の5V側を上側のバスに接続し、上側のバスからICの14ピン(上側一番左)側に接続します。

      2. 入力回路

        まず、スイッチを接続します。スイッチの中央端子とIC7404の1ピン(下の一番左)を接続し、上側の端子を抵抗を通して上側の電源バス(5V)に、他端を下側の電源バス(0V)に接続します。

      3. 点灯回路全体

      4. 点灯回路

        上の電源バスに抵抗(330オーム)を接続し多端に発光ダイオードの+(長い端子)を接続します。発光ダイオードの短い端子とICの2ピンを接続します。スイッチを切り替えると、点灯・消灯すればOKです。

      5. 利用

        この回路は今後信号のテスト回路として利用します。

      6. 点灯するのは

        2ピン(NOTの出力)がLレベルになると、2ピンはICのGND(電源の0V)に接続されます。これで、5Vの電源>抵抗>発光ダイオード>ICの2ピン>電源のGND と電流が流れ、発光ダイオードが点灯します。2ピンがH(5V)になると、2ピンはICのVCC(5V)側に接続します。これでは、発光ダイオードの両端が同じ電圧になるため電流が流れません。

  3. AND素子の実験

    1. AND素子

      NOT素子の横に、切り欠きを左にしてIC7408を挿入します。向きを間違えないよう注意してください。IC7404とどうように電源を接続します。


    2. 接続

      スイッチ入力回路を一つ追加し、二つのスイッチ回路Aから、C7408の1ピン,スイッチBから7404の2ピンに接続します。ICの3ピンを先に実験した左のIC7404の1ピンに接続します。スイッチを切り替えて、動作を確認します。ANDの3ピンが1のときランプが点灯します。NOTは論理否定ではなく、点灯回路として利用しています。

  4. 排他的論理和回路

    1. 排他的論理和

      最後に演算回路として利用される、排他的論理和を作成します。

    2. 論理図

    3. IC7432

      一度、電源を切って作業を始めて下さい。IC7432(OR素子)を7408(AND素子)の右に挿入し、他のICと同様に電源を接続します。

    4. 入力

      一方のスイッチAの中央端子を中央のIC7408の1ピンと、左のIC7404の5ピンに接続します。
      他方のスイッチBの中央端子を中央のIC7408の5ピンと、左のIC7404の3ピンに接続します。
      中央のIC7408の3ピンと右のIC7432の1ピン、7408の6ピンと7432の2ピンを接続します。
      最後に、右のIC7432の3ピン(出力C)を点灯回路(IC7404の1ピン)に接続します。

    5. 実験

      接続が終了し、確認できたら電源を入れましょう。二つのスイッチの状態が異なるとき、点灯するはずです。確認してください。

    6. 接続例

      スイッチとIC7404の間隔が少し窮屈です。もう少し離して配置しましょう。スイッチは下側がAで上側がBです。

    7. うまく動作しないとき

      うまく動作しないとき、入力側から順に直接点灯回路に接続します。たとえば、7408(中央のAND)の3ピンから直接点灯回路(左の7404の1ピン)に接続すれば、AND回路の動作が確認できます。

  5. 課題

    排他的論理和の回路の回路図(実際の配線図)を提出しなさい。

  6. その他の実験

    真理値表や論理式が作成できればゲート回路でディジタル回路を製作できます。あとは必要性とアイデアしだいで必要な回路を作成できます。また、74シリーズICにはいろんな機能のICが用意されています。


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