フリップフロップ(FF)の実験

  1. 目的

    FFを用いてモード6の計数器を作成します。

  2. 実験

    1. 発振回路

      1. 発振回路

        microChips社のマイクロコントローラであるPIC16F628を利用します。これは、1個のICの中に命令を実行する機能を内蔵しています。内蔵の発振器の周波数は4Mhzなので、これをプログラムで分周し、一番遅い周期を1秒程度にしています。16F628はプログラムメモリとして2KBのフラッシュメモリを搭載しており、このプログラムを書き換えることで、実行するプログラムを変更することができます。

      2. 回路の接続

        ボードの左端にIC16F628を切り欠きを左にして挿入します。5ピンにGND、14ピンに5Vを接続します。このICは18ピンのICです。5ピン、14ピンは上下の中央のピンですから、間違えないよう接続してください。出力は、13(B7)ピンに一番遅い信号、12(RB6),11(RB5),10(RB4),9(RB3)の順に倍の周波数のパルス信号が出力されます。

    2. 2ビット計数回路の実験

      1. 計数回路

        まず、FF1個を利用して、2bitの計数器を作成します。ICはD型エッジトリガFFの74*74型のICを利用します。発振器(16F628の10ピン)の出力を先頭のFF(7474)のck端子(3ピン)に接続します。

      2. 回路図

      3. 発光ダイオードの接続

        今回の実験では、^Qを信号として利用します。したがって、FFの値を表示するにはQ(5または9ピン)を利用します。Qが1のとき点灯させるため、、前回の実験と電流の向きが逆になります。回路図を参考にして下さい。第3帯が茶色の抵抗を利用してください。
         発振器の出力にも発光ダイオードを接続すると、発振が確認できます。発振器の出力能力は高いので、発光ダイオードを直接接続することができます。

      4. 配置、電源

        16F628の右にIC74(D型FF)を切り欠きを左にして挿入します。74の14ピンを電源5V(上側)のバスバーに、IC74の7ピンを電源0Vのバスバー(下側)に接続します。

      5. FFの配線

        IC74のプリセット端子4,10を接続し、10ピンを上の電源バーに接続します。
        IC74のクリア端子1,13を接続し、1ピンを上の電源バーに接続します。
         後で、クリア側の配線を変更しますから、この順で接続して下さい。
        D端子を接続します。6,2ピン、および、8,12ピンを接続します。
        最後に、クロック信号を接続します。16F628(発振器)の13ピンとIC74の3ピン、IC74の6ピンと11ピンを接続します。

      6. 表示用発光ダイオードの配線

        IC74の右側に、発光ダイオードを挿入します。左側のLEDの長い方の端子とIC74の5ピン、短い方と抵抗380オーム(第3帯茶色)と接続し、抵抗の他端と0V(下側のバスバー)を接続します。同様に、右側のLEDの長い方の端子とIC74の9ピン、短い方と抵抗380オームを接続し、抵抗の他端と0V(下側のバスバー)を接続します。

      7. 制作回路例

         ICは左から、16F628、74HC74、74HC74、です。最後の74HC74は次の実験で利用します。
        下の写真は片側のFFのみを配線した回路図です。発振器にも発光ダイオードを接続しています。
        これで、1ビットの計数器になり、点滅をします。

      8. 実験

        電源を入れると、二つの発光ダイオードが 00 > 10 > 01 > 11 の順に点灯することを確認してください。

      9. 課題1:プリセット、クリア

        プリセット、クリアの配線を省略すると、どのようになるか、実験し報告しなさい。また、その理由を考えなさい。

    3. 6進計数回路

      1. 8進計数回路

        74FFの横に74のICを増設し、3桁の2進計数器を構成します。これで、000から111までの計数ができます。配線は、先頭のFFと同様です。クロック信号は、左のIC74の8ピンから受け取ります。

      2. 6でクリア

        6進カウンタとして利用するには、「計数値が6になったらすべてのFFをクリアする」方法を利用します。Qの出力はLEDの表示に利用していますから、論理信号としては利用できません。そこで、クリアにも^Q側を利用します。クリア回路は、中央(UB)と右(UC)のFFの^Q出力が共に0のとき、出力0を出せばよいことになります。この素子は、「ド・モルガン」を適用すればOR素子(7432)になります。

        まず、OR素子の74LS32型ICを一番右に挿入し(このICをUDとします)、電源を供給します。ICの型番は最後の32のみが重要です。次に、UDの1,2ピンにUBの8ピン、UCの6ピンを接続し、UDの3ピンをUB、UCのクリア端子(1,13)に接続します

      3. 作成回路例

         クリア回路を追加した、モード6の計数器です。

      4. 結果

        000>100>010>110>001>101>000 と計数が進めば成功です。101から000に戻らないときは、クリア回路をチェックしてください。

    4. 課題:10進のカウンタ

      制作した、6進計数器の実体配線図を報告してください。また、10進のカウンタの回路を設計しなさい。

  3. 電子工作ホームページ

    以下のページに。詳しい電子工作の入門記事があります。
     http://www.hobby-elec.org/


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