発振回路
-
発振回路
-
発振回路
発振回路とは、外部からの信号がなくても、一定時間間隔で自動的に信号のHとLを切り替える回路で、パルス生成回路とも呼ばれます。長期間、正確なパルスを生成するには、水晶振動子を利用しますが、1割程度の誤差が共用される場合、抵抗とコンデンサによるタイマー回路が利用できます。
-
ここでの目的
555 で略称されるタイマーICを用いて、パルスを生成します。パルスの周波数(1秒あたりのパルス数)が 100〜800 程度の可聴周波数の場合、パルスをブザー素子に接続すると、音を出すことができます。
ここでは、スイッチを押さない場合 0.5 秒周期のパルスを生成し、スイッチを押すと、100Hz程度のブザー音を生成する回路を紹介します。遅い周期のパルスはLEDの発光で確認します。R1bに接続したスイッチがオフの場合、VCC(電源)からDCHに接続する抵抗が高いため、出力変化は遅くなります。スイッチをオンにすると、VCC(電源)からDCHに接続する抵抗が低くなるため、出力変化は早くなります
-
応用
周期を1秒にすれば、時計として利用できます。一定時間で点滅する照明やオン・オフを繰り返すモータなどにも応用できます。ただし、時間は1〜2割程度の誤差があります。
-
回路設計
-
回路素子
タイマー素子LMC555 は8ピン のICです。電源電圧は 1.5Vから12Vまで動作します。電源の電流は、電源電圧で変化しますが、100μA程度です。CNT,TRG,RST
は入力端子で、流れる電流はp(ピコ)A程度です(pは10-12を意味します)。出力電流は電源が5Vのとき、L側で8mA、H側で2mAです。電源電圧が低いとき出力電流も小さくなります。
ブザーは圧電型ですから、直流の電流は流れません。
コンデンサC1は容量が大きいので電解型コンデンサを利用します。これは極性があります。線の長い方が+で、-側にマークがあります。
スイッチはタクタイル型を利用します。
-
回路設計
発振にはLMC555(CMOS型)を利用します。電源に電池を利用しますから対応電圧の広いCMOS型の555を利用する必要があります。
発振出力はOUT端子(3ピン)です。DCH,THに接続した R1a(R2b)、R2、C1、が発振の周波数を決定します。
出力端子には LED と圧電ブザーを接続します。OUTがLレベルになると LEDは消灯し、ブザーから「プツ」と音がします。周波数が高くなると、LEDは半点灯状態となり、ブザーから連続音が聞こえます。
-
時間の計算
R1b の接続したスイッチがオフの場合
、出力がHとなる時間は
TH = 0.7*(R1a + R2) * C2
となります。また、出力Lになる時間は、
TL = 0.7*R2*C2
となります。したがって、1周期の時間は、
TW = 0.7*(R1a+2*R2) * C2
となります。
スイッチがオンになると、R1aとR1bの並列抵抗で、THが定まりますが、R1aに比べてR1bが十分小さいので、
TH = 0.7*(R1b + R2) * C2
となります。
-
回路製作
汎用基板に部品を挿入し、ハンダ付けで配線します。