焦電センサ

  1. 焦電センナ

    1. 焦電センサとは
      焦電センサは赤外線の量の変化を検出するセンサです。赤外線は体温のある動物や室温より温度の高いものから検出できます。赤外線は波長が 0.76μmから1mmまでの電磁波ですが、センサとして利用されるのは1.5μm〜14ミクロンmです。

    2. センサ物質
       赤外線による温度変化により電荷が発生する現象を焦電効果といいます。PZT、LiTaO3 はこの効果が高く、センサとして利用できます。レンズを利用すると距離は2〜10mで、数十cmの移動を検出できます。

  2. センサモジュール

    1. Napion
       焦電効果は電圧が低いので、1万倍程度増幅する必要があります。また、遠方を検出する場合はレンズを装着する必要があります。増幅器やレンズを組み込んだ赤外検出モジュールに 松下電工が商品化した NAPION シリーズがあります。

    2. Napionの特性
       Napionは AMN1x11x の型番で、検出性能、レンズ色、でxの番号が定まります。検出性能には、標準、微動検出、10m検出タイプなどがあります。
      形状は円筒型で、2.5m間隔の基板に挿入できます。


    3. Napionの電気的特性
      電源、グランド、出力の3端子の素子です。電源電圧は5Vです。出力端子は通常は絶縁状態で赤外線の変化を検出すると、5Vを出力します。ただし、出力には注意が必要です。出力の最大電流は100μAに制限されています。また、焦電効果の持続時間は短いので、検出後必要な時間まで時間幅を広げる回路が必要です。

      端子形状

  3. 接続回路

    1. 接続回路
       Lレベルの電流がとれないのでTTL回路には直接接続できません。100KΩ以上の入力抵抗を持つ素子が必要です。74HCシリーズのロジック回路やオペアンプ、高抵抗を付加したトランジスタで接続します。PICも入力は高抵抗なので、直接接続可能です。

      接続回路例(Trは2SC1815など)


    2. 時間延長
       555系のタイマーはL(0V)レベルでトリガがかかるため直接接続できません。立ち上がり型のワンショットICやPICの割り込みを利用できます。