フルカラー発光LED


  1. フルカラー発光素子

     近年、青色の発光ダイオードが開発され、赤、青、緑、の色の強さを調節することで、発光ダイオードを用いてフルカラーの発光が可能になりました。この3色の発光ダイオードを用いると、フルカラー発光が可能です。



    ここでは、フルカラーLEDとしてOSTA5131A(OptoSupply社)を紹介します。一番長い線が共通のカソード(GND)で、上からR(赤)、GND,B(青),G(緑) の順です。色により発光効率が異なる為、同じ電流を流しても白色にはなりません。許容最大電流は50mAです。

  2. 仕様

     各LEDの順方向最低電圧(Vf)や発光効率は異なります。
     
    順方向最低電圧は赤:2V、緑:3V、青:3.2V 程度です。したがって、電池2本でも、青は点灯しない可能性があります。発光効率も赤は最高ですが、緑や青は効率が悪くなります。
     OSTA5131Aの場合、同程度の発光をするには、赤に10mAの場合、緑に15mA、青に20mA 程度流す必要があります。

  3. インバータ

     LEDを乾電池で点灯するため、各種のインバータ回路が開発されてます。下図は秋月電子から販売されているキットの例で、白色LEDを点灯します。LMC555の発振で100μのインダクタンスをパルス駆動し、コイルからの逆起電力で発光させています。逆樹電圧はコントロールが困難なので、瞬間的に許容値を超えている心配があります。


    下図は、インバータ専用ICを利用した例で、一番左にLEDの電流をFB端子に接続することで、全体の電流を調整しています。低い電圧で点灯可能なため、電流制限抵抗も低くすることができ、効率的な回路です。LTC3202 は指定した電圧(電源の1.5倍)を生成する機能もあります。秋月からキットで販売されています。



  4. PWM制御

     色を設定するには、RGB各LEDの発光強度を調整すればよいのですが、この強度の調整法にPWM: Power Width Modulation があります。この方法は、一定区間の中で通電する割合(時間幅)を変更して平均的な電力を調整する方法です。
     下図は、25%、50%、75% の電力制御の説明図です。横方向が時間で、立ち上がっている間スイッチをオンにして通電します。



    通電幅を0にすればオフ、繰り返し期間と通電期間を同じにすれば、完全オン状態になります。PWM制御は少々荒っぽい手法なので、制御可能な対象は限定されますが LED の発光強度を調整することは可能です。

  5. 回路例

    下図はPICによるPWMで点灯している例です。