CMOS回路

コンプリメンタリー回路
上の回路を単なる抵抗ではなく、下の論理と逆の論理回路を組みます。下図左はNOT回路で、上側のMOSは、P型MOSで入力がLレベルのとき、ONになります。AがHレベルの時、下のMOSのみがオンで出力L、AがLレベルのとき、上のMOSのみがONで出力Hになります。

CMOS回路
コンプリメンタリーなMOSトランジスタを用いて論理機能を実現します。

基本回路の問題点
基本回路では、下側の回路がONなると、上のMOSに電流が流れ、電力を消費します。上のMOSの抵抗をあげると、回路のスイッチ速度が下がります。

CMOSによるNAND回路
上図右の回路は、A,BがともにHレベルのとき、下側の直列回路がONになり、出力Lを出します。上側のP型MOSの並列回路は、A,B.どちらかがHでないときONとなり、出力Hを出します。この動作はNAND素子と呼ばれます。
 上と下が逆に動作するMOS回路をCMOS型論理回路と呼びます。

CMOSの特徴
CMOS回路は、MOSトランジスタのON抵抗のみで、大きな抵抗はありません。したがって、低消費電力の回路になります。また、出力がH,Lに切り替わった時、信号線のコンデンサを充放電できるため高速なスイッチングが可能です。

スイッチング時間
信号線を延ばすと、コンデンサが形成され、このコンデンサを充電しないと信号をHにすることはできません。
 逆に、Lにするには充電した電荷を放電する必要があります。上回路で抵抗を大きくすると、コンデンサの充電に時間がかかります。

基本回路
N型のMOS(トランジスタ)回路と抵抗を利用して、NOTやANDなどの基本機能を実現できます。左はNOT回路で、A端子をHレベルにすると、QAはオンになり、出力はLになります。上側のMOSは負荷用で半導通状態で利用するため、抵抗として働きます。右の回路は、A,Bの入力をHにすると、出力がLになります。