リレー回路

  1. 機械式リレー回路

     
    1. 機械式リレー制御
      昔からよく利用されています。スイッチング速度は遅いのですが、オン抵抗が低く、大電力のスイッチングか可能です。小型のリレーは、簡単なトランジスタ回路で駆動できます。
       リレーは駆動側のドライブ回路と接点側の回路が分離されますから、電気的な絶縁にも便利です。
       駆動回路には、コイルの両端に逆電圧防止用の(フライホイール)ダイオードが必要です。


    2. 高速化

       この回路では、コイルの特性のため、立ち上がりが良くありません。そこで、供給電圧を高くしますが、定常状態で電流が課題になります。そこで、コレクタに抵抗R2を入れて調整します。R2は電力損に見合う大容量の抵抗が必要です。


       抵抗R2を小さくして、2電源とする方法もあります。この場合、最初S3をオンにして高い電圧で給電し、定常状態で、低い電源に切り替えます。



  2. 電子リレー

    1. フォトカプラ
       フォトカプラは、発光ダイオードとフォトトランジスタを光結合した素子で、電気的な絶縁が可能です。図は、NOT素子で発光ダイオードを点灯し、その光でがフォトトランジスタがONになります。


    2. ソリッドリレー(SSR)
       SSRは半導体リレー(Solod State Relay)で、ディジタル信号でON・OFFできる、交流用専用の半導体スイッチです。交流の 0V 付近でオンオフするた
      め、オンオフ時の雑音を生成しにくいよう設計されています。この機能をゼロクロス機能と呼びます。
       オムロン社の G3N-2100B などの例があります。これは、75Vから200Vの交流を10Aまでゼロクロスでスイッチできます。



       SSRには多くの場合、半導体のトライアックを利用します。

    3. トライアックによる直接制御
      トライアックは、トリガ信号でオンにできますが、オフにするには、制御対象の端子が0Vになるまで待つ必要があります。したがって、交流専用です。
      下図は、交流の0電圧を検出します。抵抗R1は入力電圧に合わせて調節します。U2Aはシュミット入力のインバーターです。閾値付近の雑音に強くなります。

       
      下図は小型光接続トライアックを利用して、大容量のトライアックAC10Dを制御する例です。

       
  3. サイリスタ
    1. サイリスタの記号と動作

      トライアックが双方向の導通を行うのに対し、下の記号で表示されるSCR(サイリスタ)は片方向の導通を行います。

       サイリスタを双方向に接続するとトライアックになります。

    2. サイリスタの構造
       サイリスタは PNPN の4層構造です。中央のPにゲート電極が接続します。Aにー、Kに+ 電圧の場合、a,c が逆バイアスで導通しません。Aに+、Kにーでも、Gが0電圧の場合、b相が逆バイアスになります。ここで、Gを + にすると、Gから + (正孔)が注入され、cを通りKまで流れます。また、C相右の電子がCから引き込まれ、bを通過して a まで移動し、a 相 の+ と結合ます。このため、A端子 から + が流れ込みます。



      A-K間が導通すると、Kの-とAの+は、直接 A-K 端子に引かれるため、G電圧を0に戻しても停止しません。A-K間が逆電圧になると、導通は切れます。