電圧・電流と電気抵抗

  1. 電圧電流


    1. 電圧

       電気は、物質を構成する「電子の流れ」です。電子は「電圧」(電気的圧力)をかけると流れます。流れを電流といいます。電流の流すにはエネルギーが必要です。電流が流れると、機械、熱、光、などのエネルギーを発生します。電圧*電流 が電力となります。
       アルカリ乾電池は一個で 1.5V の電圧をだし、2000mAH の電力を発生できます。AHは時間当たりの電流で、mは1/1000です。2000mAH は 2A の電流を1時間(H)だすことになります。ボタン電池 CR2032 は3Vで200mAH の電流を利用することができます。充電可能なNiH 電池は1.2Vで、単3型で1800mAH、単4型で800mAHの電流を取り出すことができます。
       家庭で利用する商用電源は 平均100V の交流電力です。半導体で利用する場合、電源回路を用いて、3〜5Vの直流電圧に変換して利用します。

    2. 抵抗と電流

       電気を流す物質にVボルトの電圧をかけたとき、I アンペアの電流が流れたとします。多くの物質では電圧を倍にすると、倍の電流が流れます。電圧と電流は比例します。この比例定数をRとすると、
       V = R * I
      の関係があります。Rを抵抗と呼び、単位をオーム(Ω)で表現します。下記は、1.5Vの電池に100Ωの回路を接続した回路を表現した回路図です。

  2. 抵抗


    1. 電気抵抗

      銅線は抵抗が非常に低く、僅かの電圧でも多くの電流が流れます。電圧をかけたとき、流れる電流を制限する目的で使用する部品を電気抵抗(素子)とよびます。

    2. 抵抗の許容電力


      抵抗Rの素子に電圧Vをかけると、
        I=V/R
      の電流が流れます。従って、
        W=VI=V*V/R
      の電力を消費します。この電力は抵抗の温度を上げます。許容値以上の電力を抵抗に消費させると、抵抗を温度が上がり、燃えてしまいます。通常の抵抗の許容消費電力は 1/4W です。例えば、抵抗値が100オームの場合、5V以上の電圧をかけると、
        5*5/100=1/4
      ですから許容電力を越えることになります。逆にいえば、5Vの電圧をかける場合、抵抗の値は100オーム以上でなければいけません、

    3. 抵抗の並列と直列接続

       下の図のように、電源に二つの抵抗を並列に接続した場合を考えます。電流は二つの抵抗に流れますから、同じ抵抗を並列に接続した場合、電源からは倍の電流が流れます。

      下の図のように二つの抵抗を接続し、その両端を電源に接続した場合、1本の場合に比べて電流は流れにくくなります。流れる電流を I とすると、(R1 + R2) * I が電池の電圧 V に等しくなります。電源から見た場合、二つの抵抗の直列回路は R1+R2 の抵抗となります。


    4. センサー回路

       先の直列を回転し、下のようにして、R2 の両端の電圧 Vr を考えます。R2 の抵抗の値を x にすると、
      Vr = V * x / (R1 + x) 
      となります。x の値が変化すると Vr の値も変化します。R2 を光が当たると抵抗の値が変化するセンサー素子とすると、電圧を測定すると明るさを知ることができます。


  3. 部品


    1. 抵抗の部品と値

      抵抗は、下記のようば部品として利用できます。


      抵抗の値は通常カラー表示されます。0から9を
       黒、茶、赤、橙、黄色、緑、青、藍、紫、白
      で表します。赤から紫はいわゆる虹の色です。抵抗表示は指数表現となっています。、最初の二本が抵抗の仮数、3番目が抵抗の指数です。最初は茶(1)、次が黒(0)、3番目が赤(2)の場合
        10*102
      となり、1Kオームになります。

    2. 抵抗の精度

      抵抗の誤差は、通常、表示の値の10%です。従って、100オームの表示の場合、110オームから90オームの範囲が保証されています。逆に、110オームの抵抗値を得るために、100オームと10オームの抵抗を直列につないでも、あまり意味がありません。100オームの抵抗に10オームの誤差が含まれるからです。113オームの抵抗を作るため、3オームの抵抗を捜すことは全く意味がありません。

    3. 抵抗の値の範囲

      数十オームから数メガ(106)オームまでの広い範囲の抵抗が市販されています。高い抵抗の値を測るときは抵抗の両端を手で触ってはいけません。両手の間の抵抗は汗をかいていると、数十キロオーム程度です。


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